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事業譲渡とは?メリット・デメリットや手続きの流れ・税金を解説

事業譲渡とは?メリット・デメリットや手続きの流れ・税金を解説

手続きの煩わしさから敬遠されることもある事業譲渡ですが、事業の存続・企業再生を懸けて選択する経営者は少なくありません。M&Aスキームとしての活用頻度は筆頭に挙げられるほどです。

この記事では、事業譲渡のメリット・デメリットと手続きや税金について解説します。

事業譲渡とは?

事業譲渡とは?

事業譲渡とは、会社の事業の一部、もしくはすべてを他の企業に譲渡する取引行為です。M&A手法のひとつですが、株式譲渡のように会社そのものが譲渡されるわけではありません。会社の営む事業のみが譲渡されます

事業譲渡では事業のみを譲渡するため、雇用契約や一部の許認可については承継できなくなります。したがって、取引先や従業員に情報開示しながら個々と契約を結び直さなければなりません。譲渡する事業に関わる光熱費や通信費、賃貸借における名義、従業員の社会保険なども変更します。

これらの煩雑な手続きを経てもなお、事業譲渡する理由が存在するのも確かです。広げすぎたノンコア事業の縮小や新規事業立ち上げのための資金確保、あるいは経営者の引退後の資金確保などが理由として挙げられます。

近年の事業譲渡の動向

近年の事業譲渡の動向

日本国内の少子高齢化はいっそう深刻さを増し、コロナ禍による病死者増と経済停滞は中小企業に大きなダメージを与え続けています。業種によっては売上が90%以上も減り、倒産や廃業を余儀なくされた企業が少なくありません。中小の製造業や飲食業など大企業のようにリモートワークともいかず、行動制限がそのまま生産力・売上の低下に結びついてしまいます。

後継者不足に悩む中小企業の事業承継を後押しするために、大幅な税制改正が施行されたのは2018年でした。以降、中小企業のM&Aは増加傾向にあり、追い打ちをかけるようなコロナ禍が事業存続への危機感をいっそう募らせたのはいうまでもありません。

コロナ対策の一環として、2020年には事業譲渡や事業承継などに要する経費を国が一部負担する「経営資源引き継ぎ補助金」が成立しています。生き残りをかけて事業譲渡などのM&A戦略に踏み切る経営者がますます増えつつあります。

倉庫業界の事業譲渡動向

コロナ禍により通販業界が活況を呈し、物流会社や倉庫業界も賑わいを見せた感もありました。しかしながら、移動の滞留期間による時間的ロスや燃料費の高騰などで、厳しい経営状況に追い込まれた企業も少なくありません。業界再編が進み、コスト削減のために大手物流会社が倉庫会社を買収したり、経営難に陥った中小の倉庫会社が大手物流会社に事業譲渡したりするケースが増えています。

参考:国土交通省「物流を取り巻く動向について(令和2年)

中食(弁当・総菜)業界の事業譲渡動向

良きにつけ悪しきにつけコロナ禍の影響を受けたのが中食業界です。在宅介護や巣ごもりにより外食が減り、宅配やコンビニなどの弁当需要が大幅に増加しました。弁当需要の増加は、コロナがもたらした新しい生活スタイルのひとつともいえます。消費者のニーズも多様化し、新規参入する企業も少なくありません。

一方で冠婚葬祭やイベントが自粛傾向となり、仕出し弁当などの大口の需要が減っている現状があります。小口の事業者同士の競争激化と、伸び悩む大口の業者との間で業界再編の動きが活発化するのは自然の流れともいえるでしょう。消費者ニーズの多様化はさらに拡大し、周辺業界からの新規参入も増え続けることが見込まれます。時代の流れに柔軟に対応できるよう、事業譲渡やその他のM&Aスキームによる業界再編は避けられません。

参考:一般社団法人日本惣菜協会「2021年版惣菜白書ダイジェスト」

事業譲渡する目的

事業譲渡する目的

さまざまなM&A手法の中で、比較的手続きが煩雑といわれ敬遠する企業もある事業譲渡ですが、明確な目的を持ち、あえて事業譲渡を選択する企業も決して少なくはありません。その目的とは、資金調達と事業効率化、事業の存続と再生、事業のスリム化によるコア事業への専念などです。

事業存続と効率化

事業譲渡の最大の目的は事業の存続です。少子高齢化と人口減による後継者不足、あるいは物価高騰と行動規制による経営難などの問題を抱えた企業にとって、事業譲渡は廃業を回避し、事業を存続させるもっとも有効な方法といえるでしょう。事業存続することで従業員の生活が守られ、取引先との契約も継続、社会へのダメージを抑えられることは大きなメリットです。

幅広く事業展開してきた企業が、採算の取れない事業を譲渡することで、経営の効率化を図ることは少なくありません。譲渡による資金はコア事業の再生や拡大に投入され経営のスリム化と効率化が促進されます。

事業拡大と新規参入

事業の拡大、新規事業への参入を目的として事業譲渡を受けるケースも多く見られます。通常なら、新規事業への参入には多大なる時間と労力、コストを必要としますが、既存企業の事業を購入することで時間をかけずに事業を展開できるからです。譲受するにあたって買い手企業は一時的な資金を必要としますが、ノウハウと人脈を引き継ぎシェアを拡大できることはメリットとなります。

事業譲渡が適しているケースとは

事業譲渡が適しているケースとは

事業譲渡が適しているケースとしては、売り手企業・買い手企業共に資金面でのやり繰りが大きく影響します。というのは、売り手企業としては譲渡の対価を他事業や新規事業への資金にあてられて、買い手企業にとっても事業だけの譲受なら多大な出費を抑えられるからです。取引の選択肢が広いため、お互いにリスクを避けられるメリットがあります。

まとまった現金を必要とする売り手企業

会社が経営難で債務超過に陥っている場合、まとまった現金を必要とします。その資金調達のために事業譲渡するケースは少なくありません。債務超過の会社が廃業すれば負債が残り、引退後もその弁済に追われなければなりません。けれども、事業譲渡すれば負債もまとめて処理できます。

また、会社内に好調な事業と成績の芳しくない事業がある場合、どちらかの事業を譲渡して負債を整理したり、残った事業への投資資金としたりするケースもあります。多くの場合、採算のあわない事業を手放しますが、好調な事業もあわせて譲渡し、新たな事業立ち上げの資金とすることもあります。

リスクを回避して買収したい買い手企業

買い手企業が会社を丸ごと買収する資金を用意できない場合、特定の事業だけを譲受できる事業譲渡は有効です。事業譲渡は会社を丸ごと引き受けるときほどの多大な資金を必要としません。場合によっては、簿外債務など、できるだけリスクの少ない事業に限定して譲受するケースもあります。

事業譲渡のメリット・デメリット

事業譲渡のメリット・デメリット

事業譲渡のメリットの筆頭に挙げられるのは取引項目を選択できることであり、デメリットの筆頭は手続きの複雑さです。事業と、事業に付随する資産を選択できるゆえに発生する手続きですからメリット・デメリットは表裏一体ともいえます。

メリット

売り手・買い手ともに売買する事業を選択できることがメリットです。売り手企業としては残したい事業や資産、人材を残せます。一方の買い手企業としても、簿外債務などのリスクを避けられます。

売り手企業のメリット

売り手企業は売却した利益を別事業の資金として投資し、企業の再生と事業存続に活用できます。また、会社のすべてを売却する場合と異なり、デューデリジェンスなどの社内調査の負担が少ないこともメリットのひとつです。

買い手企業のメリット

買い手企業のメリットは不要な資産や負債などは引き継がず、必要な事業だけを承継できることです。簿外債務などのリスクを最小限に抑えられます。また、事業譲渡における、のれん代相当額を償却資産とし、5年間は損金として計上することで節税できるメリットがあります。この節税のメリットを見込んで事業譲渡を行う企業も少なくありません

デメリット

事業譲渡のデメリットは手続きの複雑さです。売り手企業・買い手企業共に取引先や従業員と個別の対応を迫られます。さらに登録義務や許認可の問題など、ひとつずつ承継しなければなりません。

売り手企業のデメリット

他のM&A手法に比較すると手続きが複雑で、契約成立までの時間がかかることがデメリットです。

交渉手続きは買い手企業だけでなく、自社の従業員や取引先とも個別に行わなければなりません。離職や取引停止などのリスクに配慮しながら慎重に進める必要があります。

事業譲渡は選択制なので買い手企業が負債を引き受けてくれないケースもあります。その場合、引き続き債務の返済に追われながらの経営となり、状況が改善されるまでに時間を要してしまうでしょう。

事業譲渡が成立すると、同一地域において同一の事業を行えなくなる点もデメリットのひとつです。会社法に定められている「競合避止義務」という規定であり、事業譲渡以降、20年間適用されるので慎重な判断が必要です。ただし、買い手企業との合意により適用を免れることもできます。

買い手企業のデメリット

買い手企業にとっても手続きの煩雑さが第一のデメリットといえます。譲受するのは事業のみなので、従業員や取引先などのすべてに対して個別に再契約を結ばなければなりません。また、事業に付随した特許や商標、不動産などを移転する際にもそれぞれに手続きが必要になります。

不動産や登録免許の移転には不動産取得税や登録免許税がかかります。事業譲渡で買取る資産のすべてが消費税の課税対象となることに留意しておきましょう。

政府がM&Aを後押ししているとはいえ、事業譲渡に関しては、税制適格組織再編制度における優遇措置がありません。そのため、登録免許税や不動産取得税などの大きな税負担が発生してしまいます。

特定事業に対しては関係省庁からの許認可が必要となりますが、事業譲渡で引き継いでも許認可に関しては別となります。そのため、新規の許認可申請をしなければなりません。

事業譲渡と他M&A手法との違い

事業譲渡と他M&A手法との違い

M&A手法には事業譲渡の他に株式譲渡や合併吸収、会社分割などがあります。もっとも頻繁に行われているのが事業譲渡で41%、次いで株式譲渡が40.8%です。少し開いて15%が合併、その他に会社分割や株式移転などが選択されています。それぞれに条件が異なりメリット・デメリットもありますが、業種や経営状況、そして何を目的としたM&Aであるかによって選択されます。

事業譲渡と株式譲渡の違い

事業譲渡と株式譲渡の最大の違いは売る対象が何であるかです。すなわち、事業譲渡は事業=仕事を売りますが、株式譲渡は株式=資本を売ります。したがって、事業譲渡では一部、もしくはすべての仕事が移動したとしても会社自体は存続し、独立して経営を続けられます。譲渡益は会社の収入となり、法人税などの課税対象です。

対して、株式譲渡では資本が移動するため事実上、経営権も移ってしまいます。売り手企業は会社として存続しますが、買い手企業の株主が過半数の株式を取得することで株主総会の意思決定ができるようになります。資本の移動に伴う譲渡益は株主のものとなり、非課税です。

事業譲渡と会社分割の違い

事業譲渡も会社分割も事業の再生を図る再編の目的で行われるM&A手法です。しかしながら、事業のみを売買する事業譲渡に対し、会社分割の場合は事業に関わる資産や権利義務なども包括的に移動し、組織の再編が行われます。

会社分割は、事業譲渡と比較して手続きが容易な点や、株式での取引が可能なことからグループ企業の再編のために用いられることが少なくありません。

会社分割の定義は既存の会社を別の会社、もしくは新設する会社に分割することであり、2000年の商法改正で設けられました。事業譲渡が事業のみを移動するのに対し、会社分割では事業に付随する資産や負債、従業員や取引先との関係も包括して移動します。

会社分割には、新しく会社を設立する新設分割と、その事業に特化した会社に吸収させる吸収分割があります。

新設分割とは

会社分割のために新しく会社を立ち上げて、事業の一部またはすべてを、事業に付随する資産や権利義務と共に移動させるのが新設分割です。元会社に負債や担保となる不動産などを残し、好調な事業だけを新設会社に移動して企業再生を図る例などがあります。

吸収分割とは

その名の通り、会社の事業の一部を他の会社に吸収させるM&A手法のひとつです。事業譲渡や吸収合併と酷似していますが、一部事業であることと事業に付随する権利義務の移動がある点が異なります。不採算事業のみを切り出し、その事業に特化した好調な企業に吸収分割させることにより会社のスリム化を図るケースなどが見られます。

事業譲渡と合併の違い

合併とは、2つ以上の会社がひとつの会社になることです。既存のどちらかの会社が消滅し1社に吸収される吸収合併と、2社共に消滅し新しく1社を設立する新設合併があります。会社が消滅する点で、既存の会社の存続再生を目的とする事業譲渡とは根本的に異なるといえるでしょう。基本的に事業譲渡は事業のみが移動しますが、合併では、会社分割などと同様に付随する資産や権利義務関係も合併会社のものとなります。

事業譲渡の手続き・流れ

事業譲渡の手続き・流れ

事業譲渡の手続きと流れは、他のM&A手法とほぼ変わりなく進行していきます。会社法に基づくと、売り手企業・買い手企業共に事業譲渡に関する重要事項決定のための取締役会決議から始まり、幾度かの交渉を重ねた末の契約締結に至ります。

締結と同時に譲渡期日や支払い方法などが決定されます。財産の移転手段や従業員の引継ぎ、競業避止義務などにおいて多くの手続きが必要なのは事業譲渡ならではです。個々との再契約になるため、長いときは1年以上かかる場合もあります。

締結後、売り手企業は譲渡する事業が総資産の5分の1超の場合、譲渡日の前日までに株主総会の特別決議を要します。一方の買い手企業は、譲渡される事業が売り手企業のすべての事業であり、支払う対価が買い手企業の総資産の5分の1超の場合、株主総会の特別決議を必要とします。株主への事業譲渡の通知および公告は譲渡日の20日前までに行われなければなりません。

事業譲渡に反対の意思を表明する株主は、譲渡日の20日前から前日までの間、会社に対して株の買取を請求できます。

事業譲渡でかかる費用・税金

事業譲渡でかかる費用・税金

事業譲渡にはさまざまな費用と手数料、税金が発生します。費用として大きな位置を占めるのが、専門家に支払う事務手数料や仲介手数料、許認可料などです。また、事業の売買に関して売り手企業・買い手企業共に税金が発生することにも留意しておきましょう。

売り手企業に発生する費用・税金

売り手企業負担となることが多い仲介会社への手数料は決して安いものではありません。さらに譲渡益に対する法人税や住民税なども考慮しておきましょう。

M&A仲介会社への手数料

事業譲渡を始めとするM&A費用で大きな割合を占めるのが仲介手数料です。仲介手数料とは、M&A仲介会社が仲介を請け負った時点から発生するさまざまな手数料の総称ですが、仲介業者によって設定が異なります。

事業譲渡の取引価格は双方の企業の合意で進めることも可能ですが、事業価値の算定には客観性が必要です。そのため、専門家の企業価値評価によって算出された事業評価を参考にするケースは珍しくありません。その費用を企業価値評価費用といい、事業規模によって異なりますが概ね50万円程度が相場となっています。

その後、交渉過程の活動費や人件費として月毎に発生する月額報酬、基本合意書締結時に発生する中間報酬を経て、最終的な制約段階に至って成功報酬が支払われます。成功報酬は仲介手数料のうちもっとも大きな割合を占め、取引価格にレーマン方式の科率を乗じて決めるのが一般的です。

M&A仲介会社への手数料は、依頼する会社によってさまざまです。中には相談・着手金無料の仲介会社もあるので、いくつかの候補から選ぶことをおすすめします。

譲渡益に対する税金

売り手企業に発生する税金は消費税と法人税・事業税、それに法人住民税と地方住民税です。このうち消費税に関しては、譲渡する事業に課税対象資産が含まれる場合のみ発生します。納付するのは売り手企業ですが、負担するのは購入する買い手企業になります。

譲渡益は法人税の課税対象となり、必然的に法人住民税と地方住民税が課税されます。すべてをあわせた実効税率は30%前後です。

買い手企業に発生する費用・税金

買い手企業の費用のほとんどは税金です。まずは事業購入にあたって課税対象資産が含まれている場合、そのすべてに消費税が発生します。消費税課税対象となる資産は、無形固定資産・不動産以外の有形固定資産・棚卸資産・営業権(のれん代)などです。

譲受する資産の中に事業所や工場・作業所などが含まれる場合があります。これらは不動産扱いとなり、必然的に不動産取得税がかかります。不動産取得に関して登記変更手続きを行わなければならないので、登録免許税が発生することも忘れてはなりません。

従業員との契約や取引先との交渉などにもコストと時間を要するでしょう。譲受した事業に関するさまざまな許認可に対する手数料と登録免許税が必要となります。

事業譲渡の成功事例

事業譲渡の成功事例

企業の事業承継問題を危惧した政府が事業承継に関する税制優遇措置を発表したのが2018年でした。それを受けて活性化したM&Aですが、コロナ禍による経済危機がいっそう拍車をかけたのはいうまでもありません。いくつかの事例を案内します。

武田薬品による2型糖尿病治療薬4製品の販売事業譲渡

武田薬品工業は数多くの製薬ポートフォリオを保有し、新しい薬品を製造すると特許期間中に集中的に販売するビジネススタイルを取っています。特許期間を過ぎた薬品に関してはジェネリック薬品との競合になり大きな利益が見込めなくなるため、絶えず入れ替えを行います。その一環としての2型糖尿病治療薬4製品の販売事業譲渡が発表されたのは2021年2月のことでした。

買い手となったのは帝人ファーマ、4製品の製造販売承認権を担うという発表です。流通売却額は1,330億円で、武田薬品工業の特別利益は1,300億円といわれています。

参考
https://www.takeda.com/jp/newsroom/newsreleases/2021/20210226-8242/

オンキョーホームエンターテイメントによるAV事業譲渡

オンキョーホームエンターテイメントが、アメリカの音量機器大手のウォックスとシャープへ家庭向けのAV事業を売却すると発表したのは2021年5月26日のことです。33億円で売却されました。生産はシャープが担い、販売はウォックスが中心となり展開します。この事業譲渡によりオンキョーは車載向けシステム事業のいっそうの充実を図ります

参考
https://maonline.jp/articles/tsr0319-onkyo2

サントリー食品によるJT自販機事業買収

2015年5月25日、サントリー食品インターナショナルは日本たばこ産業(以下JT)の飲料自販機事業の買収を発表しました。JTの「桃の天然水」と缶コーヒー「ルーツ」のブランドも取得します。これによりサントリー食品の自販機は約63万台になり、首位を走る日本コカ・コーラグループに近づきます。

自販機による飲料の売り上げは全体の3割程度ですが、自販機の設置場所により大きな差があるのが現実です。その点、JTの自販機はオフィスビル内など利用頻度の高い場所に設置されているものが多く、収益力の強化を期待されています。

参考
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ25HVZ_V20C15A5MM8000/

事業譲渡を行う際の留意点

事業譲渡を行う際の留意点

事業譲渡は複雑な手続きを経るため、事業の移動に長い時間を要します。そのプロセスにおいて留意事項が発生しますが、初期段階で事業譲渡の目的を明確にし、関連する資産や負債の処遇について考慮しておかなければなりません。さらに、客観的な評価と譲渡の実効開始日を明記、競業避止義務などの法令の遵守と従業員への配慮などは重要な留意点となります。

譲渡範囲を定める

後々のトラブルを避けるために何を譲渡対象とし、何を除外するかを明確にしておく必要があります。契約書に「事業に関するすべてを譲渡する」と記載するよりは、譲渡項目を個別に列記するのが望ましいでしょう。そうでなければ「関連するすべて」から除外項目を列記する方法をおすすめします。包括的な記載は誤解を招きやすく、債権者や取引先との間でトラブルが発生しかねません。

事業評価と実効日との関係

譲渡対象となる事業の価格は、事業譲渡の契約日の財産の評価額を基準に算定されることがほとんどです。客観性を保つために専門家や仲介会社へ協力を要請するのが望ましいでしょう。また、譲渡の実効開始日までに日数を要する場合、この評価額が大きく変動することも考えられます。契約書には、評価額の変動に柔軟に対応できるような項目の明記も必要です。

従業員の処遇について

事業譲渡でもっともデリケートなのが従業員との関係です。会社法625条1項によると、雇用契約に基づく使用者の移転には、従業員の同意を得なければならないと規定されています。事業譲渡開始日までに、売り手企業・買い手企業共に、従業員の同意を取り付けなければなりません。

具体的には、売り手企業を退職し、買い手企業に再就職する形になりますが、その際も同意が必要です。譲渡契約書には、退職と再雇用の旨を明記し、退職金や未払金などの処理についても定めておくことをおすすめします。

手続きに関する規制と「競業避止義務」

会社法467条、および309条には株主総会の特別決議の必要性が記されています。譲渡する資産が双方の純資産の5分の1を超える場合、それぞれの株主総会において承認を得なければなりません。株主への告知は20日前までに、株主総会の特別決議は譲渡実行開始の前日までに行う必要があります。

会社法21条1項に定められているのが「競業避止義務」です。事業譲渡した企業は、以後20年間は同一地区および隣接市町村において同じ事業を行うことができないとされています。さらに2項には特約義務として30年間の効力持続が定められています。

ただし、双方の企業が同意すれば「競業避止義務」を負わないとすることも可能です。「競業避止義務」を負うか負わないか、負う場合の期間などを明確にしておく必要があります。

事業譲渡でよくあるトラブルや失敗理由

事業譲渡でよくあるトラブルや失敗理由

事業譲渡に限らずM&Aにおいてもっとも注意が必要なのが情報漏洩です。早期の情報漏洩により株価が変動し、売却価格に大きく影響してしまうからです。とはいえ、秘密裡に進めた結果、突然告知された従業員が離職してしまう可能性も否定できません。情報管理と人材確保は事業譲渡における最大の課題です。

情報漏洩には最大限の注意を払う

事業譲渡における情報開示をどの段階でどの程度まで広げるかには、慎重な判断を要します。従業員や関係機関、取引先への情報開示は契約成立後に必要ですが、事前相談せざるを得ないケースもあります。しかしながら、あまりに早い段階で告知してしまうと情報漏洩につながり株価が低下、業績が悪化する可能性も否定できません。そうなると、会社経営は厳しさを増し、譲渡対価も下げざるを得なくなります。

また、従業員や取引先に早い段階で知られてしまうと離職や反対運動が起こったり、取引停止となったりすることもあります。情報管理には細心の注意を払い、相談する場合にも信頼できるキーパーソンに対し、慎重に手順を踏んでいくことが必要です。

人材流出のリスク

事業の中核となるキーパーソンと見込んだ人物が事業譲渡に反対するケースもあります。譲受された企業に馴染めずに離職することも少なくはありません。その理由としては、企業文化や雇用条件の違い、あるいは経営陣への不信感、従業員同士のトラブルなどが考えられます。

事業譲渡を成功させるポイント

事業譲渡を成功させるポイント

事業譲渡成功の鍵を握るのは譲渡事業への客観的な評価と売買のタイミング、従業員や取引先への対応などです。いずれのひとつでも疎かにしたら、後々にトラブルを誘発してしまうでしょう。売り手企業・買い手企業の交渉だけで進められるに越したことはありませんが、専門家の介入が必要な事項も少なくありません。総括的にフォローできるM&A仲介会社などへの相談も重要なポイントです。

売るタイミングと事業の客観的評価

事業譲渡の契約交渉には3カ月以上かかるのが一般的で、長ければ1年を超えることもあります。その間に取り巻く環境が変わったり、株価が大きく変動したりすることも想定しておかなければなりません。

譲渡額には事業資産の時価評価が反映されます。譲渡後のシナジーを見込んで、高すぎず安すぎず適切な評価をするには第三者の介入も必要になってきます。売り手企業としては、経営悪化を招かないよう事業に注力しつつ、売るタイミングを見計らい、適切な価格で譲渡するのが望ましいでしょう。

人材流出を防ぐリスクマネジメント

事業譲渡失敗の最大の要因ともいえる人材流出を防ぐには、基本合意や契約の段階で、従業員雇用と待遇の維持について確約を取り付けることをおすすめします。とはいえ、事業譲渡は退職と再雇用となるので、買い手企業の経営状況によっては、必ずしもすべての従業員に同条件とはいかない場合もあります。

環境や待遇不満による人材流出を防ぐためには、PMI(Post Merger Integration)を実施するのがよいでしょう。PMIとは、M&A成立後の経営統合・業務統合・意識統合の3段階によるリスクマネジメントプロセスです。PMIの実施により体制構築や仕組みを共有し、優秀な人材流出を防げます。

信頼できるM&A仲介会社への相談

百選錬磨の経営者であっても、事業譲渡は人生においてそう多く経験できるものではありません。慣れない調査や手続きに戸惑い、あまりに長い時間をかけて企業価値が下がるようでは、事業譲渡の本来の意味が失われてしまいます。企業価値の客観的評価や必要書類の準備など、プロのサポートが不可欠です。信頼できるM&A仲介会社へ相談することをおすすめします。

事業譲渡・M&A相談ならウィルゲートM&A

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事業譲渡を成功させる重要なポイントである仲介会社への相談、その筆頭にご紹介したいのがウィルゲートM&Aです。

実績と経験がものをいうM&A業界において、ウィルゲートM&Aは開始以来すでに29件の成約実績を持ち、自社としても2回の事業譲渡と4回の事業譲受を経験しています。IT業界に特化したM&A仲介会社として9,100社以上の経営者とのコネクションを持ち、相談・着手金いっさい無料の完全成功報酬制です。まずは、ウィルゲートM&Aに相談してみることをおすすめします。

事業譲渡・まとめ

事業譲渡・まとめ

手続きの複雑さや税金・手数料などのデメリットがありながら高い頻度で行われているのが事業譲渡です。それはメリットの方がはるかに大きいからに他なりません。事業を選択できるメリット・負債を回避できるメリット、何より金銭的なメリットが大きなウエイトを占めます。これらのメリットを生かすにはスムーズな交渉締結が大切でしょう。

ウィルゲートM&Aでは、9,100社を超える経営者ネットワークを活用し、ベストマッチングを提案します。Web・IT領域を中心に、幅広い業種のM&Aに対応しているのがウィルゲートM&Aの強みです。M&A成立までのサポートが手厚く、条件交渉の際にもアドバイスを受けられます。事業規模を今後さらに拡大したいと考えている方は、完全成功報酬型で着手金無料のウィルゲートM&Aに相談してみましょう。

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