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吸収分割に必要な手続きの流れとスケジュールを徹底解説

吸収分割に必要な手続きの流れとスケジュールを徹底解説

包括的な事業承継が可能である吸収分割は、事業買収に比べて権利や労働者の引継ぎがかんたんに行えます。一方で、状況に応じて手続きや流れが変わる複雑さもあります。

この記事では、吸収分割に必要な手続きの流れとスケジュールについて解説していきます。

吸収分割とは

吸収分割とは

吸収分割とは、譲渡側企業内の特定の事業を分割して、権利義務の一部あるいは全部を譲受側企業に承継する会社分割の手法です。吸収分割や新設分割の手法を使用する際は、分割契約書など公的な書類も含めて、事業譲渡側は一貫して「分割会社」と表わされます。

吸収分割は、主に対価の支払い先で2種類に分かれます。分割会社に対して対価(現金や分割先会社の株式)を支払う「吸収分社型分割」は、一部事業の子会社化、または他会社への移管の際に用いる傾向があります。

分割会社の株主に対して対価(現金や株式の交付)を支払う「吸収分割型分割」は、他社に分割した事業を受け渡す際に使用します。主に株式が対価となる「吸収分割型分割」は、分割会社の株主が承継会社の株主にもなります。

吸収分割の手続きと流れとスケジュール

吸収分割の手続きと流れとスケジュール

吸収分割を含む会社分割は事業の包括的承継のため、所定の手続きが必要です。債権者・労働者に生じ得る不利益を防ぎながら複雑な手続きを行うので、事前に押さえておくと安心でしょう。吸収分割実施時の流れとスケジュールに沿って分割手続きを解説していきます。

吸収分割の手続き1.吸収分割契約を締結

当事会社間(分割会社・承継会社)は、法758条1項に規定された法定記載事項に則って「吸収分割契約書」を作成します。当事会社の住所と商号・承継する権利の義務・吸収分割に対する対価・効力発生日など必ず記載しなければならない項目を満たし、取締役会で承認を得られれば吸収分割契約の締結となります。

吸収分割の手続き2.労働者保護手続き

分割会社は従業員に対し、会社分割を行う目的・承継会社や分割後の事業内容についての説明・株主総会開催の2週間前の前日までに労働契約承継の協議などといった労働者保護手続きを行います。

部分的包括承継である吸収分割は、労働契約の承継に従業員個人からの同意がいりません。そのため労働者保護手続きは、労働者が転籍に対して拒否権を持たないために救済措置として設けられています。

労働者保護手続きは手続きがいくつかあるため、流れに沿って解説します。

労働者保護手続き1.労働契約承継法7条における措置

分割会社の労働者は労働契約承継法7条により、事前に通知を受ける権利や異議を申し立てる権利が与えられています。吸収分割を行う理由・背景などに関しては、分割会社の過半数代表者や労働組合と協議の上で労働者側に理解・協力をしてもらいます。異議を申し出る従業員がいた場合には、対象の従業員に対して一定の手続きをする必要があります。

一定事項を記載した書面の通知は、吸収分割の決議を行う株主総会開催日の2週間前の前日までに行わなければならないため注意しましょう。

労働者保護手続き2.商法等の一部改正の法律附則第5条における協議

商法等の一部改正の法律附則第5条により、分割会社の労働者との個別協議が定められています。この個別協議が不十分・未実施と判断された場合、吸収分割が無効になる原因となり得るため要注意です。

労働者保護手続き3.労働組合・労働者への通知

後に異議申し立てを実施予定である場合は、異議申し立てに必要な情報を対象の労働者・労働組合に書面での通知を行います。株主総会開催日の1週間前、公開会社に対しては2週間前までの招集通知の発送が原則です。非公開会社・取締役会非設置の会社においては、1週間未満に期間の短縮も可能です。

1週間前に招集通知の発送が必要である会社は、発送日から株主総会開催日までの7日間の間で収集通知を発送します。書面投票・電子投票を実施する際は、非公開会社だとしても2週間前までの招集通知を発送しなければならないので注意しましょう。

株主等に対しての吸収分割の通知・公告は、承継・分割会社に関わらず効力発生日の20日前までに行う必要があります。ただし、株主総会の招集通知や分割公告と併せて通知・公告をすることも可能なので、単独での通知は絶対ではありません。

労働者保護手続き4.労働者による異議の申し立て

吸収分割の実施において承継会社の労働者は異議申し立ての権利があります。分割会社への残留や承継会社への移籍などで労働者が損失を受ける場合に、申し立てによって吸収分割の契約内容を覆すケースが考えられます。分割会社と承継会社は、労働者保護手続きにより異議の申し立てを官報公告と個別通知にて受け付けます。

吸収分割の手続き3.債権者保護手続き

吸収分割によって債務の負担会社が変更される場合、利益保護の手段を提供する必要があります。そのため分割会社に債務の履行を請求できない場合に限り、分割会社の債権者も異議の申し立てが可能です。

分割会社が債権者保護手続きを行う際は効力発生日の1カ月前の前日までに、吸収分割の実施に関する事項を官報に公告、把握している限りの債権者に対しては個別催告をする必要があります。定款に定めがある際には、日刊新聞紙・電子公告にて官報の公告する「ダブル公告」も可能です。

吸収分割の手続き4.株主への通知・公告

吸収分割の効力が発生する20日前までに吸収分割を実施する旨・当事会社の商号・住所などの一定事項を株主に通知・通知する必要があり、債権者と同様で株主に対しても保護手続きを行います。吸収分割を実施することに対して反対する当事会社の株主は、「公正な価格」での株式の買取を会社に対して請求できます。

吸収分割実施後のシナジー効果により企業価値の上昇が見込める場合は、その価値を見越した価格での株式買取を請求します反対に、吸収分割実施により企業価値が維持・低下する場合には、吸収分割を実施しない仮定での価格の株式買取を請求します。なお、株価の算出基準は反対株主が買取請求を行った日の株価が対象です。

吸収分割の手続き5.株主総会で吸収分割契約を結ぶ

分割会社と承継会社は会社法783条1項・795条1項に則って、吸収分割の効力が発生する前日までに株主総会の特別決議で実施可否の承認を得ます。株主総会は当事会社の双方が完全子会社でかつ株主が1名である場合は、会社法319条1項に基づき「書面決議」で株主総会の承認獲得が簡便でしょう。

なお、会社法784条1項・796条1項の略式吸収分割や会社法784条2項・796条2項簡易吸収分割の場合には、取締役会からの承認に置き換えられるため株主総会の承認は不要です。また、会社分割に反対する株主からは、保有株式の買取請求を受けるケースもあります。

吸収分割の手続き6.公正取引委員会に必要な届け出をする

吸収分割を行うことで独占禁止法である「分割の届出制度」に該当する場合には、公正取引委員会に届け出をします。届け出が受理されないと吸収分割は実施できません。親会社が同一の子会社同士が吸収分割をする場合のみ届出は不要です。

さらに吸収分割は包括承継であるため、届け出の提出のみで分割会社から承継会社へ許認可を引継げます。ただし、許認可を引継ぐには承認が必要なもの、再度申請がなければ引継げないものが存在します。未申請の場合は事業運営が困難になってしまうため、届け出先も含めて早い段階で確認しましょう。

吸収分割の手続き7.登記

吸収分割契約書に規定された効力発生日を迎え次第、登記を2週間以内に行い事業の統合作業を実施します。分割会社と承継会社が共同で作成した吸収分割に関する一定事項記載の書類は効力発生日から6カ月間、本店に据え置きます。さらに、効力発生日から2週間以内に、本店所在地の登記所で登記の変更を行う必要があります。

承継会社と分割会社が株式会社の場合は、当該分割により承継した重要な権利義務など法務省令で定められた事項を記載した書面か電磁的記録を作成します。また、会社法第791条・第801条に基づいて効力発生日から6カ月間、会社本店への備え置きが必要です。

吸収分割の手続きで必要な書類

吸収分割の手続きで必要な書類

吸収分割の手続きにおいて分割会社が登記申請を行う際に必要な添付書類は、印鑑証明書のみです。司法書士などに登記の依頼を依頼する場合は、委任状が必要です。

承継会社が登記申請を行う際に必要な添付書類は下記の通りです。

  • 契約締結時に作成した吸収分割契約書
  • 吸収分割契約の承認内容や総会の流れを記載した株主総会議事録(分割会社・承継会社)
  • 債権者保護手続きの通知や対応内容について記載した関係書面
  • 新株予約権証券提供公告など官報公告掲載の実施の証明書面(または株券が未発行である旨を証明する書面)
  • 経由申請を行う際は、分割会社の登記事項の証明書(提出先が承継会社と異なる管轄法務局の場合)
  • 資本金の計上における証明書
  • 当事会社株主リストの一覧表(分割会社・承継会社)
  • 司法書士などに登記の依頼をする場合は、委任状

吸収分割の手続きの注意点

吸収分割の手続きの注意点

吸収分割は会社法で定められている手続きに則って行う必要があります。債権者保護手続きの未実施や会社法の規定通りと判断されない場合には、吸収分割の効力が無効になる恐れがあります。特に注意の必要な手続きについて下記を参考にしてみてください。

会社間での分割契約締結

吸収分割を行う上で、当事会社間での吸収分割契約締結は必須です。契約書に記載する一定事項は会社法757・758条により、当事会社の所在地と商号・分割対象の事業や資産・対価に関する内容・効力発生日などが定められています。

株主総会での承認獲得

契約締結の承認を受けるためには、当時会社において株主総会での特別決議が必要です。

効力発生後の手続きにおけるルールの遵守

吸収分割の効力発生後は、事後書面について需要対応できるように、本店会社への備置が必要です。当事会社は吸収分割の効力発生日後、分割に関する一定事項の記載書類を共同作成し、それぞれの本店に6カ月間備え置きます。

会社買収・M&A相談ならウィルゲートM&A

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包括的承継である吸収分割は、多額資金が不要で事業の直接承継が可能などのメリットがある反面、複雑な手続きやスケジュールを把握しなければならないデメリットもあります。

経営統合や事業再生の手法として吸収分割を検討する際は、高い専門性や知見を持つウィルゲートM&Aへの依頼がおすすめです。完全成功報酬制で十分な実績数のあるウィルゲートM&Aの無料相談を、ぜひご活用ください。

吸収分割の手続き まとめ

吸収分割の手続き まとめ

吸収分割の実施には、会社法で定められた複数の手続きを行う必要があります。規定通りの作成や期日を遵守し、契約書・通知書面などは必要に応じて備え置くなど内容は複雑です。効力が発生しない事態を避けるためにも、早い段階から準備を進めましょう。吸収分割の手続き・流れは会社の状況に応じて都度想定されるケースが変わり得ます。不明点がある場合は、ウィルゲートM&Aにご相談ください。

ウィルゲートM&Aでは、9,100社を超える経営者ネットワークを活用し、ベストマッチングを提案します。Web・IT領域を中心に、幅広い業種のM&Aに対応しているのがウィルゲートM&Aの強みです。M&A成立までのサポートが手厚く、条件交渉の際にもアドバイスを受けられます。

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